大阪IR 年間売り上げ5200億円の試算は妥当か?

人工島・夢洲

関テレの報道ランナーによる記事を転載します。

─大阪IR 年間売り上げ5200億円の試算は妥当か?  事業者が市議会で答弁「安易な撤退はありえない」─

大阪府・市が誘致をめざす統合型リゾート(IR)の誘致をめぐって、16日、運営事業者が市議会に参考人として招致された。

参加したのは、IRの事業者に選ばれている、アメリカのカジノ大手・MGMリゾーツの日本法人、エドワード・バウワーズ代表とオリックスの高橋豊典執行役だ。

IRの誘致をめぐっては、去年、候補地となっている「夢洲」の液状化対策などの費用として、およそ790億円が追加でかかることが判明し、大阪市の松井一郎市長は「土地所有者の責任」として、全額負担する方針を示した。

市は一般会計ではなく、特別会計の「港営事業会計」で負担し、市民の税金は使わないと主張しているが、これまで市が進めてきた埋め立て事業で、液状化対策費用などを負担するのは初めてのケースで、今年1月に開いた公聴会などでは、住民から「IRだけ特別扱いだ」との批判も相次いだ。

市の内部資料によると、去年5月、事業者側から「液状化が判明した場合には、土地所有者によって対策が実施されることが実施協定締結の前提条件」という内容が大阪市側に伝えられ、翌月、松井市長の判断で異例の公費負担が決定していた。

16日の委員会で、自民党・森山禎久大阪市議は、「どのような経緯で市の負担が決定したのか」改めて事業者側に質問した。

【オリックス 高橋豊典 執行役】
「液状化については、当初は”ない”と私どもは(大阪市から)聞いていた。途中の、設計のためのボーリング調査で判明した」
「適正な土地にしていただきたいという、お願いをさせていただいた」
「私どもも、MGMも”撤退を”というのは一度もございません」

大阪市に負担を求めたと認めたものの、「事業の撤退」を引き合いに出して交渉した訳ではないと強く否定した。

ほかにも、委員会で質問が相次いだのは、IR事業の売り上げや経済効果について。
府市はIR事業全体で、年間およそ5200億円の売り上げを見込み、納付金などで年間およそ1060億円の収入があるとしてきたが、数字については事業者側の試算で、再検証などは行っていないとしている。

大阪市議会では「算出根拠があいまいだ」といった批判が相次いだが、松井市長は、日本のメガバンク、三菱UFJ銀行などの複数の金融機関から5500億円規模のコミットメントレター(融資確約書)を取得していることなどから、事業の成功可能性については極めて高いと記者団に説明していた。

委員会での答弁で、事業者側は試算の妥当性を強調した。

【日本MGMリゾーツ エドワード・バウワーズ代表】
「事業計画はMGMの経験や運営施設の規模、類似施設の情報、地域国際需要の分析など考慮し、外部アドバイザーの知見を活用しながら、慎重に作成した」
「大阪IRは海外の競合マーケット、また、日本のほかの都市と比べても優れた競争力を有していると考えている」
「東京よりアジア圏に近接していること、空港キャパシティに拡張余地があり、国際線の就航増による、海外旅行客増加のポテンシャルを有する、など大阪は極めて成長性のある市場だと思われる」

また、新型コロナの影響についても説明が行われた。
新型コロナ終息が見込めない場合などは、協定が解除できることにもなっているが、バウワーズ代表はこの心配を打ち消した。
すでにアメリカのラスベガスなどで収益が回復傾向にあるとして、開業を目指す2029年までには影響がないと想定しているとし、原則、事業者負担になっている地盤沈下対策についても調査を進めるとし、「安易な撤退はありえない」と話した。

松井市長は17日、事業者の答弁は意義があったと振り返った。
「当事者から説明してもらうことによって(経済効果や試算に)信ぴょう性が出た。非常に意義があった」「工事が始まれば課題も出てくるが、誠意をもって交渉しながら解決していくというのは、どんな事業でもあるべき姿だ」と話した。

「年間2000万人」「売上5200億」という数字は“絵に描いた餅”とならないのか。
IRの区域整備計画案は、3月中に大阪府・市の両議会で同意を得られれば、4月末までに国に提出される。

・・・(関テレの報道ランナー  カンテレ (ktv.jp)による記事は、その後消去されました)・・

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