ニューヨーク在住の建築デザイナーで米国カジノを30件近くも設計してきた・村尾武洋氏が、6月17日、大阪IRをめぐって、市民の質問にオンラインで答えました。
その日はドキュメンタリー映画「ハマのドン」の特別イベントがメインでした。
村尾氏は、その映画にも登場していますが、そもそも映画は、カジノ誘致計画をめぐって賛成派と反対派が対峙することになった、横浜市長選挙に、ハマのドンと呼ばれる91歳の藤木幸夫氏が、反対派として挑んだ、その姿に密着したドキュメンタリーです。
2021年度テレメンタリー最優秀賞と、第23回ワールド・メディア・フェスティバル・ドキュメンタリー部門の銀賞にも輝きました。
村尾武洋氏は映画の舞台となった横浜だけでなく、大阪にも、カジノをつくるべきではないと考えています。
「カジノを大都市に置くのは間違い」だという主張です。
そのイベント当日の村尾氏の発言は、日刊ゲンダイの記事(6月19日公開)にあがっていました。
→米カジノ設計者が「大阪IRは間違い」と断言! 「行政が中毒になって収拾がつかなくなる」
村尾氏の発言を、記事から抜粋させてもらいましょう。───
「ラスベガスのように、カジノは宿泊して旅行に行く場所。距離のある場所に目的を持って行くのなら問題ないが、都心につくると・・給料をもらったらすぐに行ってしまう」
「大阪のカジノ事業者(米MGMリゾーツとオリックス)は、日本人に狙いをさだめている。外国人観光客ではなく。・・であるからカジノを大都市に置くのは間違い」
「カジノというものは、事業者は儲かり、客はスルようにつくっている」
「大阪のカジノを訪れる日本人客たちは、あっという間にスッテンテンになる」
「デトロイト(ミシガン州)は『街がボロボロ』、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)は『カジノの近くには危なくて行けない』」
「都市にできたカジノが10年、20年経てどうなっているか。『失敗例』を見に行くべきだ」
「米国ではカジノに行政は一切お金を入れない。周辺の道路工事も事業者が行う。行政が出すのは『許可証』だけです。日本のシステムは事業者側にとってすごくおいしい」
村尾氏は大きな疑問だと言っています、夢洲の土壌汚染対策に、大阪市が788億円も負担することが。あり得ないことだと。───
IRやカジノを理解している専門家たちは、異口同音に、大阪IR計画を疑問視し、心配を口にしていますよ。
大阪府市および日本政府は、イノシシのように前へ前へと進むんではなくて、立ち止まって、足元を眺め直してみるべきでしょう。