マネーロンダリングの問題、とは?
マネーロンダリング(省略すると、マネロン)は、日本語でいう資金洗浄(しきんせんじょう)のことです。
資金洗浄とは、詐欺(さぎ)や麻薬の売買など、犯罪や不正な方法をつかって手に入れた汚いお金を、まるで洗濯(ロンダリング)して、きれいにするみたいに、犯罪の過去や不正な証拠を、そのお金からぬぐい去ってしまうことを言います。
そのようにロンダリングすると、裏社会でやり取りされたお金が、表の社会でふつうにつかえるようになって、犯罪者たちをよろこばせてしまいます。
マフィアや暴力団、薬物の密輸に密売グループ、スリ集団や詐欺(さぎ)の集団、それからテロを仕かけるような団体、そういった組織犯罪をおかす集団は、さまざまなマネーロンダリングの方法をつかっているようです。たとえば、不正に手にしたお金を、いくつもの銀行口座に送金して、それをくり返して、お金の過去を消し去る方法などを。
しかし中でも、カジノをつかったマネーロンダリングは、反社会的組織(組織犯罪グループ)にとっては、うまい方法らしいのです。
カジノでは、お客さんがカジノ事業者に手数料をはらってゲームを楽しむシステムになっていますね。そのため、もしもマネーロンダリング目的のきたないお金が、カジノにもちこまれたら、そのカジノ事業者は、犯罪の過去をもつお金の一部を、手数料として気づかないうちにもらいながら、犯罪者のロンダリングの手助けをしてしまう、なんてこともおこるんだそうです。
日本もねらわれている?
世界各国がマネーロンダリングを取りしまる法律をつくり、カジノを運営する事業者も注意をはらっています。ですが、それらをかいくぐってなお、反社会的組織(組織犯罪グループ)はやろうとするんですね。
そんなグループは、日本に将来できるだろうカジノのことも色々と調べて、ねらっているはずだと、専門家は注意を呼びかけていますよ。
なにしろマネーロンダリングされるお金の額は、小さな国家の予算くらいに高額だったりするそうだし、わたしたち一般人には、それらの話は、やはりどれも遠い世界のことにしかきこえませんよね。
でも、汚いお金は、もとはといえば一般人が詐欺でだまされたり、盗まれたりした、それから麻薬の売買でかせいだお金でしたよね。だからマネーロンダリングの問題は、他人事(ひとごと)と思ってはいけない気がしています。