IRをつくると治安が悪化する?
カジノのある町では、なにやら犯罪が増えるといわれています。以下は、海外で起こっている事例です。
カジノで負けた人がうっぷんを晴らすために、IR施設の近くで酔っぱらって、誰かとケンカをし出かしたり、次こそは勝とうとして、質屋で借金をくり返すうちに、盗みなどをやってしまったり。
お金を賭かけるゲームには、もしかして注意が必要になるんでしょうか? お金はありがたいものですが、もっともっと欲しくなる、欲望を生んでしまうのもお金ですから。
IRをつくって失敗した例 食事をカジノ施設でとったため
ニュージャージー州では、人口減少や町の高齢化問題をおぎしなうために、カジノを、州の観光の目玉につく考えようとしました。
観光客向けのホテルも、町にはたくさん建ってうまく運ぶように見えました。
しかし競争でつぶれるホテルが、だんだんと出てきて、カナダ国立中毒精神疾患センターが調査したところ、カジノが開業してから、地元に昔からあったレストランの3分の1が、廃業(はいぎょう)したと分かりました。
カジノを訪れるお客さんは、食事もカジノ施設の中ですませるなど、ほとんど外に出ないため、地元にいくらレストランがあっても少しも利用されないことが調査で分かったのです。経済効果は生まれず、町全体がすたれました。
どの国のどこの町でも、じぶんの町を発展させて、税収を上げようとそれぞれに考えて、取り組んでいます。
それは大事なことですが、税金の使われ方をチェックして、無駄をけずったり、やり方を変えたりすることも、町と町の人々にとっては大事なことでしょう。
じぶんが住む町の議会を傍聴(ぼうちょう)して、そして税金がちゃんと町に使われているかを、チェックしている主婦エリカさんが、語ってくれています。→別サイト「エリカのおしゃべりキッチン」
失敗した例 お金持ちが来なかったカジノ
カリフォルニア州ロサンゼルス市に、1996年オープンしたハリウッド・パーク・カジノは、お金持ちのお客さんを呼び込めなかったため、ロサンゼルス市への納税がとどこおり、市の財政を、苦しめることになったそうです(セントメリー大学パトリック・ピアース教授による)。
カジノは、やはりプライベートジェットでやって来るような大金持ちを、呼び込めないと、うまくいかないということなのでしょうか。
新型コロナのパンデミックで営業できず
新型コロナウイルスの感染が大流行したことで、世界のどこのカジノも、営業ができなくなりました。
営業を再開するためには、カジノが密な場所にならないよう、ゲーム機の数をへらしたり、入場できるお客の数をへらす必要があって、カジノはどこも利益を上げられなくなっています。
コロナ対策として、世界的に入国規制(海外からの入国をストップしたり、仕事など本当に必要な人しか入国させなかったり)していますから、海外のお金持ちのお客さんも、カジノへは来てもらえなくなりました。
それが今は日常になってしまったようです。そのため、米国の大手事業者ラスベガス・サンズは、日本に大きな影響をおよぼす発表をしました。
横浜市での営業をめざしていた計画を、とりやめると発表したのです。日本への進出をやめると。
もしかしたら、カジノのようなかたちの遊び場は、ウイルスの感染が今後も心配される中では、営業がむずかしくなったということなのでしょうか。見きわめないといけませんね。