IR実施法、そして民意

IR実施法(じっしほう) = カジノ実施法(正式名は特定複合観光施設区域整備法)は、2018年に成立して公布され、2021年に施行されます。

それにしたがって政府は、まずはカジノ管理委員会の意見をきいた後に、これからの基本方針をつくり、2021年に入ってから、地方自治体や事業者から、カジノをつくりたいという申請を受けつけていきます。
その事業者は、海外の大手企業だけでなく、日本のパチンコ関連企業も、参加を考えているそうです。

そして政府は、申請があった中から3か所の町を、事業者とともにえらんで決定し、2025年ごろの開業をめざすという、スケジュールをえがいています。
新型コロナのえいきょうで、そのスケジュールはやや遅れるでしょうが。

そしてまた、3か所の町と事業者をえらんで決めた、その7年後には、IRをつくる町は、もっとほかにも増やすべきではないのか? と話し合うことも決まっています。そのための予算は、すでに付けられています。

世論調査をすると、多くの人が、いまだにカジノをつくることに不安をいだいていることが分かります。
2020年2月、共同通信がおこなった世論調査では、77.5 %の人が、IRの整備を見直すべきだと答えていました。反対、という声はそれなりに大きいです。

けれども政治の場には、カジノ設立に賛成する議員が多くいます。
選挙になると人々は、つまり有権者(ゆうけんしゃ)は、年金や医療の問題や、景気(けいき)を良くしてくれそうな政策を重要と考えて、候補者に投票するけいこうがあります。IRとカジノのことは、全国的にあまり選挙の争点にならずにきたのだと思います。
そのため選挙の結果、IRとカジノに賛成する議員が、反対する議員よりも多く当選し、国会に集まりました。
賛成する議員が多いと、それがつまり民意だ、有権者の考えだ、と解釈もされて、IRとカジノは、これまでスケジュール通りに進められてきたのです。

ちなみに、市民がじぶんの意思を国会へとどけるのは、選挙によってです。18歳になると有権者。
そのための基礎講座はこちら→ 別サイト こども嵐土(らんど)-小野次郎さん連続インタビュー「主権者学」概論 「主権者学1」「主権者学2」

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