大阪市は、夢洲の一画につくるIRの、運営事業者から賃料をとるわけですが、その額を、大阪市が驚くほど安く設定した、疑惑が生じています。
低賃料になるのは、まず大阪市が不動産評価をするさいに、「1平方メートルあたり12万円」と、べらぼうな低評価をしたからです。
夢洲には新駅を開通させ、立派なホテルや国際会議場も建てる予定で、一等地になるはずなのに、ショッピングモール界隈くらいの「12万円」と評価をし、そのため結果的に、IR事業者の賃料負担を、軽くしているようにも見えます。
大阪市が委託した、不動産鑑定の業者・4社のうち、3社がぴったり同じ「12万円」と評価した不可解もあり、そこにはもしや、誰かの指示か談合があったのではと疑惑をよんでもいます。
1平方メートルあたり12万円だと、その月額の賃料は「428円」になると計算されています。安いのです。
27日、国会の衆院総務委員会では、共産党の宮本岳志議員がその点をただしました。
国土交通省の不動産・建設経済局次長は、4社のうち3社がぴたり「12万円」と評価したのは、「一般論として不当鑑定だ」と認めました。
宮本議員はまた、大阪市不動産評価審議会の、議事録を抜粋して読みあげました。
そこに記された、複数の審議委員による、土地の低評価への気がかりや心配を。
「12万円と430円(428円のこと)、これらは、みんなが疑問に思っている」
「これだけ大きな土地を、安い価格で貸していると、市民の不信感につながる」などなど。
そんな不動産評価審議会ですが、その審議会を、とりあえず通った、だから事はすすめられる、と大阪市は主張しています。
しかしその審議会は、かんじんの情報を、正しく知らされていたのか? と宮本議員は追及をつづけました。
IR推進局が出した資料を読み込むと──
IRの土地は、35年の事業用定期借地権設定契約だとしていて、土地の賃料は、当初10年間については不増額、つまり10年間は賃料を据え置くとしています。
その後の賃料改定は、5年ごとの物価スライドとなっていて、つまり物価スライドだと、増額になろうとも僅かなのは明らかで、低い賃料が先々もつづくということ。
大阪市はそれらの情報を、審議委員たちに説明をしていません。
審議委員の気がかりや疑問を無視したまま、事が進められているのではないかと、宮本議員は述べ、そして政府に問いました、
「仮に、虚偽や不正による内容があっても、政府は大阪のIRカジノを、認定するのか?」と。
「国交省の担当者は、実際に事案が生じた際に、その事案に即して具体的に適切に判断していくことになる」と答えていました。