大阪IRは、人工島・夢洲の一画である49万平方メートル、という広い用地に建設される予定です。
IRの一部はもちろんカジノであり、りっぱなホテルも建ち、地下鉄・夢洲駅もすぐそばに新たにつくられて、そのエリアは、駅前の一等地として整備されていくはずです。
IRの事業者は、その大阪市がもっている用地に対して、賃料を支払って運営していきます。
そのため賃料を決めるための土地鑑定が、大阪市の主導で、業者4社によって行われました。
必要な作業です。ところがそこで、IRの用地をあえて「安く鑑定評価」した、という「疑惑」が、生じているんだそうです。
大阪市が1平方メートル当たりを安く鑑定したのなら、IR事業者が大阪市へと支払う賃料が、低くおさえられるということで、市が事業者を優遇した、のかもしれず、大阪市と市民にとっては損失になるのです。
その疑惑は、赤旗日曜版編集部と、日本共産党 宮本岳志衆院議員の調査によって報告されました。
土地鑑定に当たった4社のうち、3社が、ぴったり同じ額の評価をしたようです。1平方メートル当たり、12万円だと。
ふつうはあり得ない合致で、それは誰かの指示があったとか、談合でもないかぎり起きない一致であって、疑わざるを得ないと報告されています。
さらにその鑑定された額が明らかに低すぎるんだと。
駅前の一等地で、そばに立派なホテルも建つのなら、一平方メートル当たり12万円では絶対におさまらないはずだと。
もしもその夢洲の用地にIRではなくて、ショッピングモールができるとすれば、1平方メートル・12万円でも、おかしくないのだがと。
大阪市が出したその安い評価による賃料で、たとえばIR事業者が今後35年間払いつづけたとすると、正しい評価による賃料との差は、500億円以上になる、と試算もされています。
大阪市側は、12万円は何の不正もない正しい評価だ、とくり返し答えているようですが。…
そういえば森友学園の事件が、かつて明らかになった時も、豊中市の国有地を大阪府が8億円値引きして、森友学園にわたるように鑑定した、といった疑惑があって、そこから問題がどんどん膨らんでいきました。
そんな事も思い出しながら、今回の大阪IRをめぐる疑惑に、注目をしていきたいと思います。