
ハウステンボスの駅
IRという新たな国際リゾートは、果たして国が計画するように「観光立国の目玉」や「地方創生の切り札」に、なり得るのか?
と、コロナ禍がつづく今、27日の社説にて疑問を呈したのは西日本新聞です。
特に地元である、長崎県のIR構想を問題視しています。その部分を抜粋させてもらいます。
━━長崎県は佐世保市のハウステンボス(HTB)にIRの用地を確保した。九州内への経済波及効果は年間3200億円、雇用創出効果は3万人で、幅広い業種に及ぶと試算している。地元では造船に代わる基幹産業が育っておらず、経済界の期待が大きいのは理解できる。
ただし、試算に現実感が持てないという住民の反応も受け止める必要がある。延べ840万人とする年間見込み客は、HTBの多い時期の300万人台と比べても膨大な数字である。
IRは住民の理解なしに実現しない。8月の横浜市長選は、誘致を進めた現職が反対派の新人に大敗した。ギャンブル依存症への心配から、カジノへの拒否反応は根強い。来年2月に長崎県知事選が予定されており、候補者の公約を注視したい。
長崎県の計画は、九州の知事会や主要経済団体の協力を得て「九州・長崎IR」の呼称が付く。とはいえ「九州を挙げた誘致」と呼べるほど関心は高くない。計画を広く周知して意見を聞くべきではないか。━━
現在IR誘致に手をあげている自治体は長崎県のほかに、大阪府・市と和歌山県で、来年4月までにそれら自治体は、事業者とともに国へと区域整備計画というものを提出しなければなりません。
国は、それぞれを審査して認定し、そして2020年代後半に開業する予定を立てています。
が、しかし、カジノや国際会議場や高級ホテルや展示場などが入ったIRという巨大な入れ物を、つくったとしても、主要なお客である訪日外国人が、やって来なければ儲けがまず出ないだろ、と心配されています。
コロナ禍のために海外では、カジノの経営はかなり悪化しています。カジノへと、プライベートジェットで出かけて行かずにオンラインで楽しむ人も確実に増えています。
そういえば、国際会議もオンラインが定着してきているので、IRの国際会議場はつくったところで、閑古鳥が鳴くかもしれません。
IRやカジノは、コロナ禍を頭に置きつつ一から考え直してみるべき構想なのでしょう。