マカオのカジノおよび大金持ち中国人は、消えてしまうのか?

中国政府は、国内の経済的格差を正すために打ち出した「共同富裕」というスローガンにそって、カジノで富を得てきたマカオには規制をさまざまに設けてきました。
さらにはマカオでカジノを運営する6社が、実はアメリカにルーツやつながりをもつ事業者だから、規制も必要なのでしょうか。

それにしても当局の動きは強まっています。ブルームバーグニュースが 11月30日に報じました。
マカオ・カジノで富裕層を対象にきめこまかく仕事をする部門─プライベートジェットやホテルのスイートルームや賭け金も用意することがある「ジャンケット」の、その中心人物が逮捕されたと。容疑はマネーロンダリング。
この件から、ジャンケット部門をつぶして大金持ちがマカオへ遊びにいかないよう、中国政府は計画している、ゆえの今回の逮捕劇ではないか? といったカジノ業者かいわいの困惑と不安も記事では解説されていました。

「共同富裕」の理念があるほかに、中国は、広州を中心に広東省をひろく開発する計画らしいので、マカオ・カジノへの規制はそのための一歩とみることも可能なようです。

さて、中国政府によるマカオ・カジノへの規制という圧力は、日本のIR事業計画にとってはプラスに働くでしょうか?
つまりマカオで遊べなくなった中国人の大金持ちは、日本のカジノへと場所を変えるでしょうか?

いやしかし、中国政府は次のような規制も掛けているようです。
中国人が=お金持ちの中国人が、海外にあるカジノで遊ぶ、という観光を規制する。
中国の文化観光省は「一部の海外都市が、依然としてギャンブル目的で中国人観光客を誘致している」と発言し、いずれは訪れるべきではない地域を、中国政府が指定する、ような話もきこえてきます。

この規制の目的は、習近平主席が打ち出していた「反腐敗」という理念にそっていて、中国国内の富を海外のカジノでマネーロンダリングして、個人の富にしてしまわないためであるようです。
そしてまた、中国の富裕層は海外ではなく国内にてお金を落とすべきだ、という考えもあるのでしょう。だからこそ広州を中心とした広東省の開発を進めている。

どちらにしろ日本のIR事業は、中国の大金持ちをあてにはできなくなりそうです。
そうなった場合の戦略は、どう考えられているのでしょうか。

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